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賃上げと失業率  

ローソンとセブン&アイが社員の賃上げを発表した。
 
ローソン、年収を3%引き上げへ  新浪社長が安倍首相に賛同で 2013.2.7 MSN 産経ニュース
 
ローソンは7日、20歳代後半~40歳代のグループ社員の年収を、平成25年度に平均3%上げると発表した。年2回の賞与に上乗せする形で平均15万円を支給する。
 
セブン&アイ ベースアップで妥結 2013年3月4日 NHK NEWS WEB
 
安倍総理大臣がデフレ脱却のため経済界に賃上げを要請するなか、流通大手の「セブン&アイ・ホールディングス」は、ことしの春闘で、傘下のスーパーとデパート合わせて4社について、組合側の要求どおり社員の月額の賃金を引き上げる、いわゆるベースアップを行うことで妥結しました。
 
2社に共通することは、正社員が少なく、従業員の大半がパート、アルバイトなどの非正規雇用者で占められているということである。2013年3月4日現在、YAHOO!ファイナンスの会社概要では以下のようなデータが出ている。
 
ローソン
従業員数(単独)
3,490人
従業員数(連結)
6,355人
平均年齢
38.9歳
平均年収
7,010千円
 
セブン&アイ・ホールディングス
従業員数(単独)
406人
従業員数(連結)
53,581人
平均年齢
43.7歳
平均年収
7,300千円
 
 
また、昨年2012年9月には下のような発表があった。
 
イトーヨーカ堂 27年度メドに正社員を半減 パート社員比率を9割に引き上げ 2012.9.8 MSN 産経ニュース
 
セブン&アイ・ホールディングス(HD)の傘下のスーパー、イトーヨーカ堂が、平成27年度をめどに正社員約8600人を4千人程度に半減させる方針を固めたことが8日分かった。合わせてパート社員を新たに7千人採用し、パート社員の比率を現在の75%から90%に引き上げる。それにより、27年度の人件費を約100億円削減。
 
この2社が賃上げをしやすい環境にあったことが分かるだろう。
 
また、経済学では物価上昇率と失業率の間に相関関係があるとされ、この関係はフィリップス曲線と呼ばれる曲線で表される。要するにインフレになると失業率が下がるというのである。これは物価上昇が実質的に賃金の低下と同義だからだ。賃下げがなされれば失業率は下がる。逆に賃上げがなされれば企業は新規雇用がしづらくなり、失業率は上がる。(今回は自然失業率については触れない)
 
安倍首相は公約として2%のインフレ目標を掲げている。私はこれは意図的にインフレを起こすことにより実質賃金を引き下げ、失業率を下げるという、フィリップス曲線を念頭に置いた政策であると思っていた。しかし安倍首相は2013年2月12日、経済団体へ自ら賃上げ要請を行った。
 
3月1日には麻生財務相も同様の賃上げ要請を行った。これらは非常に異例なことだ。察するにどうも安倍首相の頭の中には

inhu[1]

というシナリオが描けているようなのである。だがこのシナリオは正規社員の「賃上げ」という最初の段階では余計なものが混じったおかげで、正規雇用を目指す失業者にとっては大変厳しいシナリオになっている。ローソンとセブン&アイを例にとれば、正規社員の年収は今回の賃上げが執行される前から既に平均700万円を超えているが、失業者の年収は当然のことながら依然として0円だ。にも拘らず失業者も正規社員(既得権益者)と同様の物価上昇に向き合わなければならない。そこを何とか乗り切った者だけが新規正規採用へと辿り着ける。
 
非正規採用を目指す場合は若干違ってくる。非正規雇用の場合人件費が比較的かからず、また、景気が悪くなった時に簡単に解雇できるので、正規雇用と比べるとやや早い段階で雇用は拡大される。だが人件費がかからないということは当然給料も安いということである。各種保険加入や手当てなどもないことが多い。年収700万円超の正規社員と比べれば、物価上昇はより厳しく感じられるだろう。
 
民主党参議院議員、金子洋一氏はtwitterにて次のような発言をしている。
 
 
これは為替円安による生活必需品のインフレについての指摘だ。消費拡大によるインフレと混同してはならないが、アベノミクスは消費拡大と同時に円安政策(円安要因はユーロ危機の鎮静が一番大きい要因なのだが)でもある。両者が合わさってあらゆるものが物価上昇した際、消費者が賃上げや就労によって物価上昇に対応できるまではせめて生活必需品に対して減税や補助金導入といった措置を講ずるべきだという点で、金子氏に同意したい。また、金子氏は下のような指摘も行っている。
補足するならば正規雇用の増加も最終段階として訪れるだろう。このサイクルに乗せるためにも今の段階で首相が賃上げ要請をするなどという異常なことは止めてもらいたいというのが今の私の意見だ。社会の心理的な部分に訴えたいのであれば、「賃上げ要請」ではなく非正規を含めた「雇用拡大要請」がいいのではないだろうか。残業地獄に苦しむ過労社員と、アルバイトにすら就けない失業者のギャップを埋めることは、この国の経済にとって大きなプラスになるはずだ。

*余談
麻生財務相が賃上げ要請をした際、産経新聞によるとこの要請に対して経団連の米倉会長は「企業収益が回復に向かえば賞与・一時金も出せるし、景気が本格回復すれば雇用増大や給与の増大につながる」と応じたという。失業率を下げるためのインフレ政策とは矛盾するとはいえ、麻生財務相は景気を回復させる為に賃金上昇を要請したはずだ。それに対し、企業収益が回復(景気回復)に向かえば賃金は上がると答えるとは、非常に反抗的な答弁である。

category: 経済

thread: 政治・経済・社会問題なんでも - janre: 政治・経済

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