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内閣に憲法改正案の提出権(発案権)はあるのか。  

2004年8月5日、第160回国会、衆議院にて、社会民主党・土井たか子が『憲法改正手続に関する質問主意書』という質問主意書を提出した。

それに対する小泉純一郎内閣総理大臣の答弁書の一部を抜粋する。

 国会において審議する憲法改正の原案としての議案の提出権を内閣が有しているか否かについては、憲法第九十六条の規定も含め、これを否定する憲法上の明文の規定はなく、一方、憲法第七十二条は内閣に対して議案を国会に提出する権能を認めていることから、政府としては、憲法改正の原案としての議案についても、内閣はこれを提出することができるものと考えている。

国会に提出された答弁書は閣議決定を経ている。よってこれが政府・内閣の正式見解である。

一方日本国憲法は、「最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である」と定め(81条)ている。つまり最終的な違憲審査権は行政たる内閣ではなく、司法にあるのだ。よって国会答弁書をもってして「内閣に憲法改正案の提出権(発案権)はある」とは言い切れない。

憲法学者である芦部信喜は『憲法(新版・増補版)』354ページにて下の様にしている。

 憲法改正を発議するには、改正案が提示されなければならない。この原案を提出する権能(発案権)が各議院に属することは言うまでもないが、内閣にも存するか否かについては、争いがある。肯定説は、「国会の発議」は発案権者が議員に限られることを当然には意味しないこと、内閣の発案権を認めても国会審議の自主性は損なわれず、またそれは、議院内閣制における国会と内閣との「協働」関係からみて不思議なことではないこと、などを理由とする。これにたいして否定説は、憲法改正は国民の憲法制定権力(制憲権とも言う)の作用であるから、国民の最終的決定の対象となる原案の内容を確定する行為(憲法で言う「発議」)を国会が行うのは、制憲権思想からいって当然の理であり、この理を貫けば、「発議」の手続きの一部をなすとも考えられる「発案」すなわち原案提出権は、議員にのみ属すると解するのが憲法の精神に合致すること、内閣に発案権を認めても国会の自主的審議権が害されることはないとはいえ、改正案の提出権を法律案の提出権と同じに考えるのは、憲法と法律との形式的・実質的な相違をあいまいにする解釈であること、などを理由とする。

 いずれの説が妥当か、にわかに断じがたい。そのため、「憲法の本旨は、内閣の発案を認めるかどうかは、国会の意志による法律にゆだねるという程度のものと解する」説にも、一理がある。ただし、かりに否定説が妥当だとしても(私見はそれに傾くが)、内閣は実際には議員たる資格をもつ国務大臣その他の議員を通じて原案を提出することができるので、内閣の発案権の有無を論議する実益は乏しい。


結論としては「現在の所、分からない」となってしまうのだろうか。



追記:
先ほどbiac(えるマーク付き) さんより以下の様に教えていただいた。
Takanori Kobayashi @sartrean
少しご質問があります。2004年(小泉内閣)の答弁書をみると、「憲法改正の原案としての議案についても、内閣はこれを提出することができるものと考えている」とされているようなのですがこれは、改められたのでしょうか。

biac(えるマーク付き) @biac_ac
いえ、その内閣法の拡大解釈は認められていないはずですよ。

内閣法(最終改正2011年)
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S22/S22HO005.html
第五条「法律案、予算その他の議案を国会に提出し…」
この「その他の議案」に、法律より上位の憲法が含まれるという暴論
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category: 法律/憲法

thread: 憲法改正論議 - janre: 政治・経済

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