現代 note

スポンサーサイト  

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

category: スポンサー広告

tb: --   cm: --

9条に関して政府は、憲法解釈の変更を過去一度もしていない  

9条に関する政府解釈

正確にいうと、「過去の政府憲法解釈と整合性の取れない解釈変更」である。これを、昭和憲法施行後、政府は一度もしていない。

よく引用される吉田茂総理の

第9条は直接には自衛権を否定していないが、2項が一切の軍備と国の交戦権を認めない結果、自衛権の発動としての戦争も、又交戦権も抛棄した

という旨の国会答弁は、実は昭和新憲法の制定過程において、憲法案を国会(第90回・帝国議会)に提出した際の答弁である。つまり「憲法案」の解釈であって、憲法解釈ではない。

この憲法案は、議会で審議され、修正もされている。

新憲法施行(1947年5月16日)後、政府によって行われてきたのは、過去の解釈と整合性を取りながら、未解釈だった部分に新しい解釈を加える行為である。言い換えると、政府は過去の解釈を否定せず、じりじりと解釈を拡大してきたのである。

唯一、若干例外的なのは《文民》に対する解釈だけである。

御指摘の「憲法の解釈・運用の変更」に当たり得るものを挙げれば、憲法第六十六条第二項に規定する「文民」と自衛官との関係に関する見解がある。すなわち、同項は、「内閣総理大臣その他の国務大臣は、文民でなければならない。」と定めているが、ここにいう「文民」については、その言葉の意味からすれば「武人」に対する語であって、「国の武力組織に職業上の地位を有しない者」を指すものと解されるところ、自衛隊が警察予備隊の後身である保安隊を改めて設けられたものであり、それまで、警察予備隊及び保安隊は警察機能を担う組織であって国の武力組織には当たらず、その隊員は文民に当たると解してきていたこと、現行憲法の下において認められる自衛隊は旧陸海軍の組織とは性格を異にすることなどから、当初は、自衛官は文民に当たると解していた。その後、自衛隊制度がある程度定着した状況の下で、憲法で認められる範囲内にあるものとはいえ、自衛隊も国の武力組織である以上、自衛官がその地位を有したままで国務大臣になるというのは、国政がいわゆる武断政治に陥ることを防ぐという憲法の精神からみて、好ましくないのではないかとの考え方に立って、昭和四十年に、自衛官は文民に当たらないという見解を示したものである。

衆議院議員島聡君提出政府の憲法解釈変更に関する質問に対する答弁書

2004年6月18日 内閣総理大臣 小泉純一郎

これらを「解釈変更」とは、私は言わない。


9条以外の最高裁解釈

昨年、2013年9月4日、結婚していない男女間に生まれた婚外子の相続分を、法律婚の子(嫡出子)の半分とする民法の規定に、最高裁大法廷から違憲判決が下された。

最高裁はこれまでずっとこの規定を「合憲」と判断してきたので、この判決は明らかに過去の解釈と整合性が取れない。

しかし、この判決は憲法によって権利が保障されている側である、国民の権利をさらに強化する判決である。公権力に対して「法律を改正して、国民の人権を守れ」と命令したのである。

なので、この判決は立憲主義に即した、司法による正式な解釈変更であり、立憲主義を否定するものではない。


政府解釈変更による集団的自衛権行使

次の条件をすべて満たした政府による解釈変更は立憲主義の否定である。私はこれに断固反対する。

1.  過去の解釈と整合性が取れない(過去の解釈を否定する)解釈変更。
2.  憲法によって縛られている側である公権力の、縛りを緩める解釈変更。
3.  時の一内閣(総理大臣)の、閣議決定による解釈変更。

安倍晋三首相が進めようとしている、集団的自衛権の行使容認は、上の条件にすべてあてはまる。

時の内閣はたいていの場合、議会でも多数派である。よって時の内閣が集団的自衛権の行使容認を閣議決定すれば、時の与党がその解釈に基づいて、法律を強行的に作る/変えることが出来てしまう。そして、行政組織(自衛隊を含む)はその法律に基づいて行動することが出来る。これは非常に危険なことだ。


最終的な憲法解釈権は本来、最高裁にあるが

橋下徹氏から下のような、問題提起があった。共感する部分が多い。これについては後日、機会があれば見解を述べる。

内閣の憲法解釈の責任者は首相だ。法制局長官でない。では内閣の憲法解釈の是非を判断する国の法の番人は誰か。

本来は、憲法裁判所になる。しかし日本には憲法裁判所がない。これが日本の統治機構の最大のゆがみだ。日本はアメリカ型を採用した。通常裁判所が憲法裁判を担当する。中学の公民でやった付随的審査制。通常裁判の中で憲法適合性が審査される。

そのことによって制度として規定されていた、裁判所による憲法保障が非常に弱くなった。日本の最高裁判所は違憲判決に極端に謙抑的になっている。

圧倒的な民意を基盤とする選挙によって、権力を与えられた政治に対して、通常裁判所の裁判官が対峙できるわけがない。そのような政治に対峙できる憲法の番人をしっかりと作るべきだ。それが憲法裁判所だ。

すなわち、安倍首相が集団的自衛権行使容認の憲法解釈をしたとしても、それに基づいた内閣の行為について、憲法裁判所が憲法適合性を審査できるのだ。安倍首相が集団的自衛権の行使を認めても、憲法裁判所が否定するかもしれない。これが本来の統治機構の在り方だ。

もし憲法裁判所にストップをかけられたら、それこそ憲法改正しかない。


2014年2月16日、Twitterにて

スポンサーサイト

category: 法律/憲法

thread: 国家論・憲法総論 - janre: 政治・経済

tb: 0   cm: 0

死刑制度廃止と、憲法31条の改正  

死刑制度は現在のところ、合憲だが、死刑制度の廃止が違憲であるとは思われない。死刑制度を廃止するのに憲法改正は必要ではなく、法律を改正すればいいと考える。

その上で、将来的には憲法改正がなされることが望ましいと考える。例えば死刑合憲の根拠の一つとされる憲法第31条。

第31条  何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。

これを下のように改正したらどうか。

第31条  何人も、法律の定める手続によらなければ、その自由を奪はれない。又、刑罰を科せられない。
2  何人も死刑に処せられることはない



勿論この改憲発議がなされるのは非常に困難であるし、同時に慎重さが求められる。

まず、法律によって死刑廃止が決まった後であっても、死刑廃止反対勢力が両院で1/3未満になるとは考えにくい。

また、仮に発議が出来ても、国民投票で否決される可能性がある。そうなれば、その時、死刑制度が廃止されていたとしても、死刑廃止反対勢力(死刑制度の復活を訴える勢力)に一定の正当性を持たせてしまう。

category: 法律/憲法

thread: 政治・経済・社会問題なんでも - janre: 政治・経済

tb: 0   cm: 0

死刑制度を廃止するには政権交代が必要だと考える  

内閣府による2009年12月の世論調査では下の結果が出ている。
死刑制度に関して,「どんな場合でも死刑は廃止すべきである」,「場合によっては死刑もやむを得ない」という意見があるが,どちらの意見に賛成か聞いたところ,「どんな場合でも死刑は廃止すべきである」と答えた者の割合が5.7%,「場合によっては死刑もやむを得ない」と答えた者の割合が85.6%となっている。

「どんな場合でも死刑は存続すべきである」という選択肢がないが、消極的か積極的かを問わなければ、死刑制度存続を支持する意見は圧倒的多数である。

この状況で、死刑制度を廃止するには、「死刑制度廃止」を選挙公約とした政党/党首が、総選挙で勝つしかない。それもこの公約は公約集の隅に小さな字で申し訳程度に書かれるのではなく、前面に大きく掲げられなければダメだ。

自民党内にも死刑制度廃止論者はいると思う。しかし自民党は基本的に保守政党であり、期待できない。死刑制度を廃止するには左派政党による政権交代が必要だろう。

フランスのミッテラン政権が「死刑存続」が多数だった世論を抑えて、死刑制度を廃止できたのは1981年大統領選挙で、「死刑廃止」を公約として全面に掲げ、勝利したからだ。

そして、死刑は廃止されたそして、死刑は廃止された
(2002/04)
ロベール・バダンテール

商品詳細を見る

category: 法律/憲法

thread: 政治・経済・社会問題なんでも - janre: 政治・経済

tb: 0   cm: 0

宮澤喜一と集団的/個別的自衛権  

対論 改憲・護憲対論 改憲・護憲
(1997/09)
中曽根 康弘、宮沢 喜一 他

商品詳細を見る

宮澤喜一: 私の考えも、想定される事態への具体的な対応という観点からみれば、実態として中曽根さんとあまり違っていないと思います。私流に言えば、仮に横須賀の沖で日本が敵から脅かされて、日米で共同の作戦があって、公海上でアメリカの軍艦を日本の自衛艦が助けたというケース と、同じことがカリフォルニアの沖の公海で起こったというケース。これは 法律的には同じ「公海」の出来事だから分けて考えることはできないという 議論があります。しかし、横須賀沖の公海で起こったことは、私は、日本は日本の自衛のために行動しているんだと思います。そのために自衛艦がアメリカの艦船の擁護に立ち向かうので、カリフォルニアの沖でそれをしたことと同じではない。日本にとっての国益が明らかに違うということは、常識的に極めてはっきりしていると思います。

しかし、これまである人たちの解釈によると、横須賀沖の公海で日本がどこかから攻撃を受けた。そこで自衛隊と米海軍が一緒に行動をしているときに、米国の軍艦がやられた。 それを日本が助けると、それは集団的自衛権の行使になるから憲法違反であるという。かくのごとき解釈は、ほとんど法律家の資格のない人の言うことですね。カリフォルニア沖で戦争しているわけじゃないわけですから。そういうばかなことを言うから、憲法を変えなけれ ばいけないなどという議論が出るのです。もっとひどいのは、そういう状況の中でアメリカ兵が負傷した場合、それを我々が日本の野戦病院なり軍艦で治療し、治ったらアメリカに渡してしまうと、それはアメリカの戦力の増強になるから集団的自衛権の行使で憲法違反だという解釈です。これはまったくの「学者ばか」の議論でしょう。

私は仮にカリフォルニア沖であっても、共同で近い距離で何らかの作戦をしているのであれば、米軍への攻撃は日本への攻撃と見做していいと思う。

中曽根さんは、「集団的/個別的」ということに拘るべきではないと言うけれど、日本は歴史的にもう、「集団/個別」に拘った解釈でここまできてしまっている。そして日本政府は集団的自衛権は、憲法9条の制約により、行使できないと結論してきた。その制約を公権力が恣意的に外すことは立憲主義の観点からできない。

ただ、宮澤さんが例に出したようなケース。集団/個別の間の、議論が分かれる部分に決着をつけることは必要だと思う。私は「個別的」と解釈できる部分が多くあると考える。そうなれば、今まで「曖昧だから」という理由で武力行使を出来なかったケースが減り、武力行使可能な範疇が結果的に広がる。

多分、結いの党の江田さん、民主党の細野さん、枝野さんも同じような考え方をしていると思う。

category: 法律/憲法

thread: 軍事・安全保障・国防・戦争 - janre: 政治・経済

tb: 0   cm: 0

「2人死刑執行 安倍政権で8人に」を受けて  

2人の死刑囚の死刑が、12日午前執行されました。安倍政権で死刑が執行されたのは4回目で、合わせて8人となりました。
NHK

私は現行制度下においては、死刑執行は粛々と行われるべきだと思っています。ただ、出来るだけ近い将来に、死刑制度自体を廃止して欲しいと思っています。国家に人命を奪うほどの権力を与えていていいとは思えません。

死刑制度賛成の方が良く使う、「命を奪った人間は、命を奪われなければならない」理論は破綻していると考えます。罪人に犯した罪と、同じ行為を罰として与えなければならないのであれば暴行犯は暴行を受ける刑を執行されなければならないことになります。また、殺人罪でも死刑にならない事はあります。また、死刑執行者は明確な殺意があるにもかかわらず罪には問われません。

また、反対論者に対して、賛成論者から「被害者より加害者の人権の方を尊重するのか」という批判が寄せられることがあります。これは全く的外れな批判です。「人権は普遍的なものであり、誰もが平等に有している」という考え方に立つならば、当然、「命」の価値は平等でなければなりません。であるならば、被害者の命が奪われてはいけない命であるのと同様に、加害者の命も奪われてはいけない命なのだということになります。

「被害者遺族の気持ちはどうする」との批判もあります。遺族には心から同情しますが、「気持ち」と「命」は平等にはなりえないと考えます。

谷垣法務大臣は、記者会見をして「いずれの事件も身勝手な理由から尊い人命を奪った極めて残忍な事案であり、被害者や遺族にとって無念この上ない事件だと思う。裁判所において十分な審理を経たうえで確定したものであり、慎重に検討を加えたうえで執行を命じた。死刑について批判はあるが、日本では法定されているし、国民の支持もあると思うので、現状で死刑を維持していくことに変化を迫る情勢はない」と述べました。
NHK

私は今回の死刑執行に関しては、谷垣法相や安倍内閣を非難する気持ちは一切ありません。同様に死刑判決を出した裁判官を非難する気持ちも一切ありません。同様に、被害者遺族の方が死刑を望んでいたかは分かりませんが、仮に望んでいたとしても、非難する気持ちは一切ありません。

冒頭に述べたように、現在、法的に死刑の執行が定められている以上、死刑は粛々と執行されるべきだと思っています。また、裁判所による死刑の求刑も、過去の判例に倣って正しく行われるべきだと考えます。

しかし、今後について言えば、出来るだけ早く法律を改正して、死刑制度自体を無くして欲しいと思っています。死刑に代わって、釈放の可能性のない、終身刑を最高刑として導入するのが良いと思っています。

category: 法律/憲法

thread: 政治・経済・社会問題なんでも - janre: 政治・経済

tb: 0   cm: 0

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。